logo-h2oロングショート戦略、レバレッジありの、個人向けバリバリヘッジファンドを運用しているH2O Asset Managementから、最近のパフォーマンス大幅下落について、投資家にお詫びと説明をするニュースレターがでています。

それによると、

If 2008 was a liquidity crisis, 2011, a volatility crisis, and 2016, a convexity crisis, 2020 is a combination of the three previous shocks

仮に、2018年をリクイディティ危機2011年をボラティリティ危機2016年をコンベクシティ危機とするなら、今回のはその複合的な金融危機と呼べる、としています。

そこで、まずは、ややこしいカタカナを整理しておきましょう。

リクイディティとは直訳すると流動性のことです。
リーマン・ショックの時は、何かの金融商品を売りたくても、買い手が完璧なまでに不在。値段が合わないだけでなく、特にインターバンク市場では売買の相手方がいつ倒産して資金決済ができなくなるかわからないとお互いが疑心暗鬼になって取引しないほうがマシという現象が起こっていました。リーマン・ショックから来たリクイディティ危機は、欧米の金融機関にとってはブラック・スワンでしたが、日本にとっては山一・拓銀ショックというまさにこれと同じローカル現象を10年も前に経験していたことが予防接種となり、日本国内取引においては傷が浅かったと言えます。

ボラティリティとは直訳すると変動幅のことです。
投資の世界では正にこれをリスクと言っています。どんな投資家も投資をするなら、損をしたときのことを考えておかなければなりません。世の中のローリスクハイリターンなんてものは存在しないのです。1年間で2割下がってしまっても(精神的にでなく資産背景的に)耐えられなければ株式投資はできません。逆に1年間で5分の下がりしか覚悟しなくてもよい債券に投資して2割アップを期待するのは愚の骨頂です。このようにリスクと期待リターンを天秤にかけて投資をすすめるものなのですが、ギリシャ問題の際には、皆が一喜一憂するあまり、売りと買いが交錯しすぎて毎日の値動きが激しくなりぎ、皆がハイリスクの割には期待リターンが得られないと判断して、投資から手を引く現象が見られました。

コンベクシティとは直訳すると凸状に歪んだカーブのことです。
これはさっぱりわからないでしょう。これは主に債券投資の時に使うものです。債券は利回り(イールド)と価格は反比例します。債券が買い進められ価格が上昇すると、利回りは下がります。そして平常時なら、短期(残存1年〜3年)のものは利回りが低くて価格が高く、それが長期(10年以上)になると利回りが上がって価格が下がる傾向を示します。そんな中、ゼロ金利政策が出てくると、それに引きずられて債券価格も全体に上昇するわけですが、特にゼロやマイナスになっている預金を嫌って、短期の債券が買われます。そして、全体的に利回りが下がっていることを嫌って長期の債券も買われます。すると中期(5年前後)に比べて、短期と長期が割高の状態になって、期間とイールドの関係が直線でなく弧を描くような曲線になってきます。これをコンベクシティと呼び、行き過ぎた曲線はある時急に直線に向かって戻ろうとするのです。2016年に債券のプチショックがあったのを覚えているでしょうか? このことです。


確かに2020年は3つすべての要素が詰まっていますよね。なるほど、結構マズいはずです。

H2Oもレポートで、ボラティリティの観点からみて、S&P500が過去3週間以内に、一日でブラスマイナス3%以上動いたのは12回。これは滅多に起こることではありませんし、これが続けば長期投資の期待リターンを予測することができなくなる。
そもそも今回の危機を予測しコントロールできるようなポートフォリオモデルを持ち合わせていなかった。
コンベクシティも顕著になっていることから、とにかく慎重に取引を進めなければならないとしています。






イメージ 5ブログ記事に関する詳細な質問、ファンドリスト、オフショアファンド移管相談、パスポートのコピー認証、英訳認証などについては実名のメールでbyh00122@yahoo.co.jpまでお願いします(コメント、メッセージではお返事いたしまません)。
にほんブログ村 株ブログ オフショア投資へにほんブログ村気に入った記事にはナイスボタンお願いします。その話題を優先的に取り上げます。オフショア投資ブログのランキング。面白いのでぜひクリックしてみてください。

花見はしないでブログを書く。今年だけでなく毎年そんな気がしますね。