MFである条件は、たった二つ、1.他人にお任せ(一任)であること。2.先物市場で売買すること。の2点だけです。
ですから、自身でFX証拠金取引を行えば、任せてませんし、先物でもないので、それをMFとは言えませんが、例えFXだけであっても、一任勘定で先物取引していれば、MFの一種です。例えばTNK Fundsは1.は満たしていますが、取引形態が先物でなく、現物(Spot取引といいます)なので、MFとは言いません。
では、MFは一般的に誰に一任するのでしょうか?ファンド会社でしょうか?もちろん、ファンド会社自身のこともありますが、ファンド会社は投資信託の完成品メーカーであって、実際に取引指示をだすエンジンも持つ一任先は別のことが多いです。パソコン本体メーカーとCPUメーカーの関係にも似ていて、富士通にしてみたら、何もインテルだけを使う必要はなく、他に良いのがあればモトローラでも何でもいいのです。逆にインテルにしてみたら、東芝だろうと、ソニーだろうと、完成品メーカーを選びません。
例えば、Tulip Trend Fundの場合、製品メーカーの名前がProgressive Capital Partners Ltd、製品名がTulip Trend Fund Ltd.、エンジンメーカーがTranstrend B.V.と言います。ちなみに、販社IFAと言われる各代理店で、メーカー直販はありません。
では、一任先のTranstrend B.V.に焦点を絞りましょう。この人達のことを業界では commodity trading advisors (CTAs) とか commodity pool operators (CPOs)と呼んでいます。コモディティと付いていますが、別に商品先物に特化しているわけではなく、これらの発祥の地とも言える、シカゴ先物市場がコモディティを中心に発展したからです。株式、為替、債券、信用リスク、天候、なんだって取引できますからCTAといってもコモディティ専業ではなく、先物市場で主にテクニカル分析を使ってプログラム売買をする人と定義づけることができるでしょう。
読者の方の中にもFX証拠金取引をやっている方も多いでしょう。FX各社にログインするとUSDJPYのレートがチカチカと動いています。ところがこのレート、NHKのニュースででてくる銀行間市場のレートとは全く関係がありません。別世界なのです。FX証拠金のレートは最終的にシカゴのCMEなどに集まり、ここで売買・決済がなされています。もちろん、インターバンク市場とコモディティ市場を両睨みして裁定取引しているトレーダーはいっぱいいますから、ちょっと差がでてもすぐに埋まってしまいますが。
それこそ順調稼働しているだけでも1千、2千は有ろう各CTAにはそれぞれのウリがあります。極力多くの市場へ分散投資しているもの。ある分野を得意としてそれに特化していることを謳うもの。創設者の名前をブランドにしているもの。レベレッジを大きくかけているもの。ファンドサイズの大きさ、それ自体を売り物にしているもの。
いずれにせよ、感じなのは取引を一任しているということ、そのプログラムや投資手法は門外不出であることが多いこと、がカギになります。個人投資家が数多くあるMFから自身に合ったものを選び出すことは非常に困難なため、つい、一番わかり易い過去のパフォーマンスのみを判断基準にしがちになってしまいます。
3月の勉強会の日程をまたも変更してしまい、申し訳ありません。