Prestige Asset Managementの運用するユニークなファンドPrestige Alternative Finance。農業経営の自由化が進んでいるイギリスでは、いわゆる農協のような組織がしっかり根付いてはいるものの、農家としても資金や資材の調達手段は多様化しており、ファンドで集めた資金をリースやファイナンスに回すというのがプレステージの特徴です。ノンバンク系融資ビジネスファンドと言えば、トレードファイナンス(貿易金融)や、不動産つなぎ融資、学生寮ファンドなど様々なものがありますが、このプレステージもノンバンク系のビジネスファンドとしてのコンセプトは秀逸です。
融資件数、リース件数ものべ1,764件もに小口分散化されていますし、リースは動産の所有権は留保されたまま(日本でも自動車ローンを組んだことがある方はイメージしやすいと思いますが、借金返すまで車検証の所有者は自分にはなりません)ですし、案外とりっぱぐれのない商売です。
では、このビジネスモデルの問題はなんでしょうか?ビジネス系ファンドですから流動性リスクはもちろんあります。でもそれ以外の最大の悩み、それはパフォーマンスです。パフォーマンスが年率6%を切ってくると投資している意味があるの?と思いたくもなりますが、実はコレ仕方のないことなんです。リースや小口ローンはどうしても短期金融市場の金利水準に比例しますから、イギリスではゼロ金利まで落ち込んではいないものの、昨今の低金利政策下では一昔前のように、8%、10%当たり前なんてパフォーマンスは宿命的に出すことはできません。
このように国債などの安全資産の利回りと、プレステージのようにリスクを取った人だけが得られるパフォーマンスの差のことを、リスクプレミアムと言います。日本人の場合、どんな金利環境下でも目標利回りありき、しかも12%欲しいとかと決めつけてしまうケースが多いので、今の時代では決めつけてしまった目標を追いかけるあまり、自身の想定以上のリスクをとってしまっていたなんてこともしばしばです。
このプレステージは、すでに投資している人、これから投資を検討している人以外にも、取るべきリスクプレミアムが一定、つまりビジネスモデルが首尾一貫していてブレなければ、おのずと投資の目標も調整しなければならないのだということを教えてくれる、よい勉強材料になるファンドです。
渡航不要の投資家紹介で直接投資は最低投資額USD100kからです。手数料は典型的後払い方式。USD7500から投資するにはファンドラップ口座のモーメンタムを経由させるとよいでしょう。なお、解約には3ヶ月くらいの期間がかかるので参考まで。
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昨日の東京勉強会は完全満席で狭い思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。それにしても、全員ご出席、キャンセルなしというのは凄いことです。
また、みなさんと個々にゆっくりお話しする機会ももてなかったので、どうぞお気軽に個別相談依頼メールをいただけますと、なんぼでもお話しさせていただきます。
ただ、初めてご参加の方からもサンキューメールをたくさんいただき本当に励みになります。来月(11月の日程未確定ですが、12月は13日土曜日午前中で確定してます)もお楽しみに。