Algebris Investmentsは、2006年にロンドンで創業の独立系運用会社(ミラノにも進出)、主にロングオンリーながらオルタナティブほぼ専業のヘッジファンド会社になっています。

ファンド名を見てみても、Algebris Financial CoCo Fundというロングショート戦略のファンドや、クローズドエンド型でAlgebris Non Performing Loan Fundというディストレスト投資(ディストレストの意味は明日解説します)のものまで並んでいます。

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これらはもちろん、機関投資家向けで一般公開されていませんので、例えばファクトシートを譲ってもらえたとしても、ブログの記事にはできません。そこで、もっと優しめでEUR10kから個人投資家でも購入でき、かつBBG TickerもあってRL360 PIMSからでも行けそうで、パフォーマンスが右肩上がりのAlgebris Financial Credit Fundを取り上げてみました。

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このファンド、2012年9月スタートでEUR5.0Bも集めているクジラ5匹級というお化けサイズのアイルランド籍オフショアファンドで、クレジットファンドという名前が付いている限りは、もちろん債券ファンドであって、ボラティリティは4.7%しかなく、かつデュレーションは4.0年、欧州中心の投資先の格付平均もBB+とハイイールド債にしては上品な運用です。

それでいて、毎年+5%から+10%のパフォーマンス(ユーロ建て)を安定的に出しているのですから、そりゃ人気も集まるというものです。

ただ、上表のパフォーマンスをみて、(今年の年初来の数字はともかく)わー右肩あがりでリスクないな~と投資してしまう投資家はこのブログの読者にはならないでしょう。ここで分析を終えたらそれこそ末代までの恥です。

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と、偉そうにいうまでもなく、投資先の債券の種別を見れば簡単に好成績の理由がわかります。なんと、このファンドは4分の3をココボンドに投資しているのです。

これを聞いて思わずヨダレがでかけたよ、という読者の方はツウですね。私? もちろん、ジュルジュル言っちゃいました。だって、個人投資家がココ債に分散投資できる手段が見つかったのですから。

ココ債って? と思った方は検索してみてください。日本語のサイトで一番詳しく解説しているサイトを探すと、結局このブログに戻ってきますから。

ドイツ銀行騒動の時代、いっとき目の敵にされていたココボンドでしたが、もはや、立派な投資手法の一つになりました。うらを返せば、立派な銀行の資金調達手段となったとも言えます。

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ココボンドに投資しているなら、その発行体は銀行になるわけで、とすれば格付の平均もグッと上って当然です。つまり、このファンドは、一般的な債券ファンドのリスク分析に使う格付やデュレーション、カントリーと言ったものだけでは見えてこない、リスクを内包しているから、この利回りがあるのです。

ココボンドについて理解がなければ投資はできませんし、逆にココボンドについて研究してこれはと思った投資家にはCoCo壱番屋とび辛スパイスの香りよりもヨダレものになるファンドです。

Algebrisは東京にも事務所があるので、直接投資は絶対できません。

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けん引の免許も取っておきたいのですが、そんな時間を取れるわけもなく。