Carmignac Gestionは1989年にパリで創業、EUR60B近くの預かり資産と26のファンドを持つ、大型専門店ファンド会社です。

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今日はカルミニャックのモーニングスター社四つ星、ルクセンブルク籍のオフショア債券ファンド、Carmignac Portfolio Global Bondを取り上げてみます。このファンド、特にAAA格をメインに適格債券中心、しかもデュレーションは0.53年と、日本人感覚で言えば程んどMMFと同じ面構えにもかかわらす、そのパフォーマンスは1年間で7.18%、3年間の年率換算で6.78%という驚異的な数字(ユーロ建てです。ドルヘッジのクラスはありますが、若干パフォーマンスは違います)を叩きだしています。

もちろん、MMFを同じことをしていて、こんなパフォーマンスは出せません。現に3年のボラティリティは6%以上あって、日本のMMFはおろか、債券ファンドにしては比較的高い数字を見せています。

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そうです、それには理由があるのです。まず、デュレーションの期間別内訳をみてみてください。確かに1年以内、または3年以内に満期を迎える債券の保有割合が非常に大きいので、平均でみたら、1年をきりますが、そのかわり、おそらくウリダシしてから日が浅いのであろう7年から10年のものや、10年を超える超長期債もしっかり仕込んでいます。

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となると、ここでギモンが生じます。もともと適格債券かハイイールド債かは目論見書に投資方針通りなので、そこは気にしないとしても、長期債中心に積極取引を進めていくファンドがなんでわざわざボラティリティは低いけど、期待リターンも少ない期近の債券なんか仕込むのか? ということです。

その答えは、ファクトシートの投資先比率の一覧から読み解くことができます。しかもこのファンドは非常に親切で、左表の通り、今月(2017年5月末時点)だけでなく、先月(4月末時点)のウエイトも記載して前のファクトシートを引っ張りだしてこなくてもすぐに比較できるよう配慮がなされています。

この配慮がカギなのです。わざわざ配慮しているのは、投資家にわかりやすいようにという単なる親切心でしょうか? いいえ、それだけではありません。そこが劇的に変化するからこそ、しっかり表示しているのだと考えた方が素直でしょう。劇的に変化させるのはファンドマネージャーです。ファンドマネージャーがナルシストだとすると、さしずめ、その数字こそが、投資家に「見てみて。オレ様の実績を」という部分なのかもしれません。

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で、見てやってくださいよ。4月は-3%つまり、ほんの少しレバレッジがかかっていたようで、キャッシュポジションはマイナスになってますが、そこはあまり気にせず、ゼロだと考えてください。そして翌月、ソブリン債のウエイトが劇的に減ってます、しかも米債を極端に減らして、欧州債は増えてます。結果、キャッシュポジションは+9%に膨らんでいるのです。

好きですね〜このマジで派手な取引。って感心している場合じゃないですよ。6月末に向けて、キャッシュポジションを30%近くまで上げるというコメントもでています。アクテイブな株式ファンドなら3割キャッシュってのもよくある話ですが、債券ファンドでここまで突っ込んでやってくれるファンドは珍しいです。一目置いとくべきファンドと言えますね。

ルクセンブルク籍のオフショアファンドなので直接投資はオススメできません。ラップ口座を経由して購入するのが無難です。

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派遣肉体労働もこのジメジメな時期に週3も入ってくるとさすがにきついですね。