アラングレイのインターナショナル向けブランド、オービスのファンドは昨年の乱高下の局面においても、かなりがんぱっているとブログでも報告していました。一方で、本体ブランド名Allan Gray Proprietary Limitedが運用するAllan Gray Africa Equity Fundは苦戦が続いています。


この状態で、アフリカ株は誰がやってもうまく行かんでしょ、で割りきってしまってもよいのでしょう。でもせめてアフリカ株にまた陽は上るのか? くらいは検証しておくべきです。

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まずは、パフォーマンスを見ることにします。とにかく、アラングレイのアフリカファンドは歴史が長いので、灰色線のベンチマークとあわせて見ると、アフリカ株全体の推移が通しで見ることができます。

こうやって見ると、アラングレイに先見の明があったことを横に置いておいたとしても、アメリカ経済が9.11から立ち直ってから、サブプライムローン問題発生までの、全体的にカネ余り現象があった時期まで、アフリカ株というもの自体、ほぼ未開の地だったことがわかります。

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それは、アラングレイの国別ポートフォリオをザッとみてみても感じることです。昔から金鉱山関連銘柄があった南ア、比較的中近東に近いエジプトはともかく、ナイジェリアだの、ケニアだのにちゃんとした株式市場があったとも思えません。

ジンバブエなんて、日本のGDP債務比率が上昇している時に、日本を超える悲惨な国として、バカにされたように取り上げられてました(個人資産はみんなポンドかドルで保有されているという事実も知らずに)。

そんな、南アを除くアフリカ株にも初めて本格的に資金が回りはじめたのは、リーマン・ショックの後だということがわかります。リーマン・ショックの大きな下げの後に、アラングレイのパフォーマンスがベンチマークから乖離しています。これはアラングレイの腕が良いだけではなく、ベンチマークの組み入れ比率も大きく関係していると私は見ています。

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ベンチマークというものは、その国や銘柄の将来性でウエイト付けするものではなく、ほぼ単純に時価総額だけで按分させるものです。ですから、アフリカ株のベンチマークというのは、バカでかい金鉱山会社やミラーなどのビール会社がある南アフリカに集中してしまいます。AfricaとAfrica(xe-SA)に分けて考える投資家も多くいます。


これは東南アジア株を全体でまとめてしまうと、日本株だけが突出していまうので、ex-Japanという表現を使うのと同じ考え方です。

ですから、リーマン・ショック後のパフォーマンスの乖離は、アラングレイの腕とともに、ex-SAが脚光を浴びた時期たったと言うことができます。現にナイジェリアはフィーバーしましたもんね。私も実際に渡航したかったのですが、一度も行く機会を持てないまま、すっかりイランに目を奪われてしまいました。

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そして、セクター(業界)別の組み入れ比率をみても、今は一番厳しいじきだということがよくわかります。とにかく、資源関連株が多いんです。これらは、もっとも単純化して言えば、原油価格とゴールド価格が回復したら、株価も回復するというものです。

今、パフォーマンスはほぼ10年前の水準に逆戻りしてしまっています。まだまだ長丁場となりますが、じっくり二度目(設立直後のロケットスタートを含めると三度目)の日の出を待つことは決して間違いではないと考えています。

ケープタウンまで行って聞いてきましたが、絶対直接投資はできませんので、モーメンタムなどラップ口座を経由して購入することになります。

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来月の家賃の振り込み。今日だとまだ早すぎる気もするし、でも月末近くなるとATMも混んでくるし、軽くジレンマです。