Premier Group (Isle of Man) Limitedがファンド組成し、New Earth Solutions Group Limitedが実際のリサイクル施設、つまりごみ処理場を経営している、その会社(非上場)に株式投資しているのが、New Earth Solutions Recycling Facilitiesです。 施設を経営している会社、そこに設備資金や運転資金を供給するファンド、そしてそのファンドをオフショアから投資できるように組成している会社。それぞれ立場が違うので、ウェブサイトもそれぞれ別個に立っています。

このファンドはビジネス系ファンドの中でも、イギリス学生寮ファンドのBrandeauxやMansion Student Accommodation、レジャー施設ファンドのDarwinなどとは異なり、ファンドが会社として直接経営に乗り出しているわけではありません。各地元で立ちあげた、個別に法人化しているごみ処理工場や再生エネルギーをう生み出す会社(すべて非上場)の筆頭株主になって、現場は専門の技術者に任せつつ、経営や財務の全権を掌握し、儲かれば、全部配当で吸い上げるという方法を取っています。

そのため、株式ファンドとはいえ、非上場株式への出資であること、その会社の資産のほとんどは工場や設備という固定資産であることから、学生寮ファンド同様に流動性リスクが存在することはご存知の通りです。

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このファンドの問題は、リーマン・ショックから立ち上がり株価が回復し始めた頃、ニューアースが、「非上場のごみ処理施設のうち、一番大きい会社が一社でも上場できたら、目算では自己資金がたんまりできて、大株主となっているファンドが保有している株式を売却してくれる。そしたら、ファンドに9-12%もの利回りを払わなくてもよくなるし、銀行も運転資金をホイホイ貸してくれるだろう。」と欲をかいたことが原因です。

当時はよっぽど上場が成功する自信があったようですし、確かに私もその話に乗りました。

何しろ、ベンチャー企業というものは、パトロンからの身内出資→ファンド組成で直接調達→ベンチャーキャピタルからの出資→無担保での銀行融資→上場して借金ゼロへ がゴールデンルートです。

が、残念ながら、上場しても株価の上昇が期待できない局面を迎え、上場は保留、上場のために一旦、発動した、新規解約一時停止措置だけが解除できないままになっています。

学生寮ファンドのように他社が別の原因で破綻したことをきっかけに、ファンドの業況に変化がないにもかかわらずパニック売りがでたら、そりゃ投資家要因による流動性リスクの顕在化でしょ、と怒りの矛先はリテラシーの低い投資家や、リスクなしかのように売り込んでいた有象無象に向かいます。

しかし、ニューアースに関しては、投資家サイドにリスク認識についての落ち度が全くありません。なにしろ、ファンド経営者側のフライングというか単なるチョンボですから、ま、投資家としては怒るというより、少なくとも幻滅はさせられる、という状態です。

そういえば、Brandeauxの流動性リスクが顕在化した時は、「風評解約は投資家の勝手、目論見書通りに停止措置を発動したのみ」、だと一切悪びれる気配もないまま(確かに規約上も詫びる必要はないし、私も賛同してました)、それでもキッチリ運用を終了させていきました。

ただ、ニューアースは原因をビジネスサイドが作っただけに、そこまで開き直ることはなく、運営の係る者は皆、平身低頭ではあります。となると、先ずはリストラの断行です。

1. 儲かっている本業に特化する。

このファンドはいわゆる利権ビジネスである地方公共団体からのゴミの専属的な引受(日本語では地方自治法の用語で「指定業者」と言います)に加えて、メタンガスから発電したり、燃料を抽出したりするのがウリでした。でないとフツーのゴミ処理場であり、エコリソースなんてファンド名も付けられないですもんね。

が、今となってはそんな崇高な夢を追いかけている暇はありません。とにかく別に儲かっているわけではない周辺ビジネスは、他の業者に売ってしまい、株主から抜けて現金化する必要があります。実際に、筆頭株主の交代という形で売却の実績もでています。


2. 過去の役員をクビにする。

ま、当然のことですよね。病気が原因という方もお一人いたようですが、それ以外はほぼ解任済です。


3. ファンドのランニングコストを削減する

本件はなにも投資家だけが泣かなければならい話ではありません。信託報酬、信託会社への報酬など、とにかく削れるものは削りました。全て交渉成立済です。

ただし、これはファンドのコストの話であり、工場の質を落とすというものではありません。


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4. 銀行借入にシフトする

すでにドイツのNORD/LBと地元イングランドのCo-operative Bankから融資を取り付けています。

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現在、解約新規申込は中断してます、代理店移管や住所変更などの諸手続のみ可能です。

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