http://www.grantthornton.com/~/media/Images/Test%20Images/logodesktop%20455%20x%2049.ashxGrant Thornton iという組織名をご存知でしょうか?グラントソントンは監査法人、税理士法人、法律事務所、経営コンサルなど、特に法人の守りに必要な部分がセットになったアドバイザリービジネスの超がつくくらい大手組織です。もちろん、日本にもグループがあり、太陽ASG有限責任監査法人、グラントソントン太陽ASG税理士法人、グラントソントン太陽ASG株式会社、株式会社太陽ASGアドバイザリーサービス、グラントソントン太陽ASG社会保険労務士法人、グラントソントン太陽アドバイザーズ株式会社などがグラントソントンの日本拠点として活躍しています。

このようにグラントソントンは世界で100カ国地域に加盟店・グループのネットワークをもっており、その従業員たるや、35千人を越えるそうで、少数精鋭が一般的なこの業界において、これだけの人数を抱えているとは相当多いレベルだと感じさせます。

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もちろん、SPCやファンドなどが数千、いや数万あるであろう、ケイマン島などのいわゆるタックスヘイブンにもしっかりと事務所を構えています。むしろそういった地区には法人の実態がない(普通はロンドンなどに実態があり、籍だけ、ガンジー島だとかBVIだとかにおいている)ので、逆に現地のグラントソントンなどのような組織は大忙しでしょう。

冒頭で、グラントソントンは守りの部分全般を引き受けてくれる組織だと説明しましたが、が故に、もちろん民事再生中、あるいは仮の民事再生適用を申請している法人の管財人も引き受けてくれます。

オフショアファンドの例で言えば、民事系訴訟対策ファンドのAxiomに流動性リスクが顕在化してから、このグラントソントンの出番となり、数百もある細かい事案について全件丹念に調べあげて、融資の健全性について調査したという大きな実績があります。

ちなみに、Axiomの場合、解約停止措置が解除され、ファンドが健全化し、裁判所が独り立ちOKの許可がでるまで、簡単にいえば通帳とハンコは取り上げて、管理監督するのが彼らの主な仕事で、他社に同様のことがおこれば、その実情に合わせた(債権者集会などで承認された)再建案通りの計画進行を手助けしてくれます。

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アクシオムの経緯について、興味の有る方は、マスコミの記事フィナンシャル・タイムズをご覧になるとよいでしょう。

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私はアクシオムの決算書類とグラントソントンからの報告書を保有していますが、さすがにブログに出してよいかどうかの判断はつきません。そもそもそれらはアクシオムの実投資家が自分のこととして知る権利がある類のもので、野次馬が物見遊山で、とやかく言う問題ではないからです。

LMなどにも言えますが、投資家は時として厳しい現実を受け入れなければならない局面もあります。しかし、まかり間違っても、投資もしてない他人から過去の自身の投資判断を頭ごなしに否定される筋合いはありません。このブログでは、ファンド会社の意向を尊重しなければならないことはもちろんですが、一番大事なことは、実投資家が読むブログであるがゆえ、その投資家感情を傷つけるようなことは絶対しない、ということを心がけています。

ところで、アクシオムは民事系の訴訟対策ファンドで、かつ融資先は個々の事案ではなく、全件法律事務所に対する融資であり、かつ、ATE保険という仕組みは使っていません。その融資先は10件に満たずどちらかと言えば大口偏重の傾向がありました。

アクシオムの訴訟対策ファンドとしての資金の流れや融資案件の中身を完全に精査して、投資家にとって信頼に足りる情報を引きずり出してくれたのが、このグラントトンソンという組織です。アクシオム投資家にとって、グラントトンソンが精査結果を出してくれるまでの数ヶ月間は、非常に不安な日々を過ごされたと思います。お気持ちはよくわかります。

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しかし、アクシオムの投資家にとって、流動性リスク顕在化後、数ヶ月の我慢でしたが、それでも最後は不透明なものが透明化されたことで、その後どのような展開があるのか予想できるようになりました。これこそが、グラントソントンが入ってくれた最大のメリットです。

もちろん、デメリットもあります。それはコストです。グラントソントンとてボランティアではありませんし、その費用も超一流です。それは全てファンドの資金から出ていきますので、仮に、ATE保険が完全に付保されるような元本が確保されるスキームがあったとしても、確保された部分とは別枠で監査費用、管財人費用は支払わなければなりません。よって管財人を使うことで、結果的に幾ばくかの投資元本は減ります。


未だに「情報は無料」という意識が強い、ごく一部の日本人にとって、これは非常に苦手なことでしょう。しかし、彼らに管財人になってもらうということは、つなわち正確で信頼できる情報をそれなりのお金を払って買う、という感覚で臨まなければなりませんし、このコストなしには前に進めないことも確かです。そしてなにより、これで憶測だけの下らない議論に終止符を打てるなら、投資家の個々の時間の無駄も防げますから、多少の費用が出たとしても、それこそグラントソントンさま様です。

不安な心理が人を迷わせるのはよくわかりますが、それでわけのわからん有象無象に駆け込んだりすると、余計カモられることを承知しておかなければなりません。そもそもこのブログを読んでいる人がそんなところに相談しにいかないでしょうから、ここで書いても無駄ですね。

神様、仏様、グラントソントン様、どうかよろしくお願いします。来月は第四回祝詞勉強会に出席して心を清めとこ。

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ババロアは一晩寝かせてから食べたら格段に美味しくなってました。この試食会にした方がウケたかもしれません。

そういえばステビアが入っているとか何とか言ってたのを忘れてました。甘味料入りに砂糖をいれたのは良くなかったかもしれませんね。