オフショアファンドやラップ口座などの金融商品はその殆どが技術的な問題を除いてまず簡単に移管ができるという話は以前の記事にしてあります。こういった記事を出すとはじめての方からの相談をそれこそ数十件といただくわけですが、全員の共通の不安は、その後満期までの20年間から30年間の長きに亘り、口座の維持管理だけでなく、運用の相談やスイッチングを効率良くできるのかということです。

今日は、先日の記事を出してから新しくメールや電話で相談いただいた方が運用している商品の中で圧倒的に多かったハンサード・アスパイアを例にとって解説しておきます。フレンズプロビデントのプレミアやロイアルロンドン360のクァンタム等でも全く要領は同じで、各社とも様式は違えど記入項目は全て同じ。投資家紹介で移管を済ませれば、全て似たような用紙で進めていくことができます。

ところで、ハンサード・アスパイアというもの自体が大丈夫か?というメールも頂きますが、この手の質問には、私は殆どのケースで無視しており、返信もしません。そもそもロンドン上場の保険会社の信用状況について、私のような個人投資家に聞くこと自体ナンセンスだからです。世界中の上場企業の会社名を全部知ってろとは言いませんが、上場している限りは自分で有価証券報告書なり、ヤフー・ファイナンスなりで調べなさいいうことです。そもそもたかが一個人から信用状況について云々されるのはハンサードとしても大きなお世話ということになるでしょう。

次に投資家紹介を受けて移管した後の維持管理です。そもそも、これら積立投資商品は、投資家とハンサードとが契約の当事者であるので、言葉の壁こそあれ、当該保険会社とはいつでも連絡が取れるわけです。よって、元々、代理店を移管しようがしよまいが、いつでも代理店なんて中抜きして全ての手続が可能な建て付けになっているのです。ですから、移管後の代理店に対しては、ぎっしり詰まっている良いノウハウを使わせてもらう代わりに、できることは何でもセルフ・サービスでという関係を構築するのがベストでしょう。

もっとも、セルフ・サービスと言っても、さほど大したことはありません。
最も頻繁にメンテをするケースとして考えられるのは、積立をクレジットカード引き落としで行っている場合の変更届でしょう。クレジットカードには有効期限があるので、これが到来するごとにクレジットカード関係変更届を提出する必要があります。これはアドバイザーも把握できるので、変更届提出の要請があれば、対応するだけです。
次に多いのは、住所変更届とは結婚、またはその逆による姓の変更届でしょう。これはアドバイザーは把握してませんから、投資家の方から相談し、アドバイザーから適宜用紙を取り寄せて提出することになります。
あとは、毎月の積立通貨金額、相続人指定の変更等レアケースですが、これらも全て専用の用紙がありますから、アドバイザーから取り寄せてください。レアケースは滅多に起こることではないので、セルフ・サービスというよりは前広にアドバイザーに報告しておいたほうがいいでしょう。タダで人を使おうという魂胆ミエミエで依頼心の強すぎる投資家はアドバイザーから敬遠されますが、ここぞという時は遠慮せずしっかり相談すべきです。

ところで、もう一つ非常に重要なことは、自身のポートフォリオをいつでもHansard OnLineを使ってログインし、閲覧することができるようにしておくことです。これはハンサード・アスパイアやUPPなどあらゆるハンサードの商品を保有している投資家は全員無料で使うことができます。サイトは11ヶ国語対応で、もちろん日本語翻訳ページもありますから、ポートフォリオの中身を見るのは極めて簡単です。ここがハンサードが他者よりも手数料が高いという欠点を埋うめる利点といえるでしょう。正直、ログインする管理サイトは正直ハンサードが最も見やすく優れていると思います。

ログインして自身のポートフォリオをいつでも見ることができるようになったら、いよいよファンドの乗換です。乗換えるのに必要なのは「乗換の用紙」そのものと「ミラーファンドのリスト」です。乗換の用紙はアドバイザーからもらっておいて、依頼する度に印刷してサインしてPDFで提出します。ミラーファンドは自身のログインサイトでも検索できますが、ややこしかったら両方ともアドバイザーからPDFでもらいましょう。ミラーファンドのリストは正式にはUnit Fund Link Performance Bulletinと言います。

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上表はそのリストの一部の抜粋見本です。リストの左端にはファンドコードが記載されており、乗換の用紙にこのコードとファンド名を正確に記載することによってアドバイザーとコミュニケーションを取りますので、このリストは極めて重要です。例えば、赤丸が対象なら用紙にはMC72というUnit fund codeとHIL New Star Global ManagedというUnit fund nameの両方を記載することになります。また**のマークは既存保有者のみ維持のできるファンドで新たに乗換はできないという意味です。

ここで、投資家紹介で移管を完了させた方は大事な専門用語を二つ覚える必要があります。
  • SWITCH ー 既に積み立ててきた既保有のファンドの全部または一部を他のファンドに乗換えること 要は積み上げた過去分の乗換
  • REDIRECTION ー 積み立てるファンド割合の全部または一部を、以降変更すること 要は将来の積立割合の変更
です。このスイッチ(過去)とリダイレクション(未来)は全く別の次元で考えなければなりません。アドバイザーとポートフォリオについて相談するときも、完全に別々の話題として取り上げられます。

乗換用紙の正式名はUNIT FUND SWITCH & REDIRECTION INSTRUCTIONと言います。
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まずは契約者名(共同名義なら二人とも)、コントラクト番号(たいてい7桁で最後がローマ時の大文字)、電話番号(+81-で最初の0を抜く)、メールアドレスを記載します。

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さらに契約時のサイン(たいていパスポートの署名)とフルネーム、日付を入れて基本的な記載事項は完成です。共同名義がある場合、お二人ともサインします。
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次に注文内容の記載です。もう読者の皆さんはスイッチとリダイレクションの発想の切り分けができているので簡単でしょう。二つ同時にするか、スイッチだけか、リダイレクションだけかにチェックするだけです。

スイッチオンリー(オール)はいわゆる政治家がよく使うガラガラポンです。持っている全てのファンドの口数を一回リセットし、改めてポートフォリオを組み直すタイプです。スイッチオンリー(インディビジュアルユニットファンド)は個々具体的な乗換をしたいときに使います。

リダイレクションをする人、スイッチする人の中でオールを選んだ人はSECTION 1 - SWITCH AND/OR REDIRECTION FOR ALL HOLDINGSを記入します。そのうち、Box A - SWITCH all existing holdings into the below unit fundsはガラガラポンスイッチです。ガラガラポンなので、過去のファンド保有割合や口数は関係ありませんので、記入の必要もありません。これからの投資割合だけを記載します。正味は一部変更であっても100%になるように全てを記載します。

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Box B - REDIRECT all future contributions into the below unit fundsはリダイレクションの今後の割合について記載します。これまでの投資割合は完全にリセットされるので記入する必要はありません。また一部変更であっても新たに合計100%になるように記載します。
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用紙は4枚綴りなので、全てを印刷して各ページともcountersignという欄にサインをしなければなりません。

SECTION 2 - SWITCH INDIVIDUAL UNIT FUNDSは、一部の個別にスイッチするときに使います。3つの個別乗換注文が記入できるようになっています。これ以上個々の乗換が増える場合は、ガラガラポンで行った方が効率的でしょう。countersignをすれば出来上がりです。

用紙が完成したらPDFでアドバイザーにメールすればスイッチやリダイレクションは完了です。3,4日経ったら自身でログインしてポートフォリオを確認すれば、その注文が完了していることを確認できるでしょう。

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ウール90%シルク10%のセーターを思い切り洗濯機で普通に洗ってみました。少し大きめだったので、縮んでくれたら、ちょうどよくなって、しかも目も細かくなって暖かくなるかも。