マンションイギリス学生寮ファンド。7月のレポートを見て寒気を覚えた人も多いのではないでしょうか。このブログでも、既保有の投資家にはパニック的に売り急ぐ必要はなく、冷静に状況を見極めましょう、としてきました。しかし、いくつかの大きなニュースがでているさなか、状況を見極めずに購入するのはナンセンスです。


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  • 2013年6月末の数字では、ファンドサイズはGBP283.5M
  • そして色々なニュースがでているにも関わらず、Mansionは7月にGBP8.6Mもの新規購入資金が流入
  • 結果、月末のファンドサイズはGBP285.5Mとなった
  • 7月の月間パフォーマンスは0.9%でしたから、6月末のファンドサイズは自動的に283.5*1.009=286.0まで膨らむ
これらの前提から

286.0 + 8.6 - 285.5 = 9.1

となり、やはり平月よりもかなり多いGBP9.1Mの解約があったことがわかります。

ただ、私は解約した投資家に関して、コメントはありません。個々の事情もありますし、投資家仲間の中に煽られてパニック的に売ったという方はいらっしゃらないからです。そもそも既保有の投資家は学生寮というビジネス系ファンドが持つリスクについて理解されているはずですから、その理解に基いてキリの良いところで解約の判断をしても何の問題もないでしょう。利益確定にせよ損切りにせよどんなファンドでもいつかは解約するわけですから。

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問題は、新規購入でしょう。Mansion Studentファンドは建付けの良い、報告もしっかりしているファンドなので、私は長期的にみて何の懸念も持っていません。

しかし、よりによってないも先月に買うこともないでしょう。色々なニュースが飛び交わなくても、学生寮ファンドを買うなら、秋口の募集状況をみてみるとか、例年、10月あたりに買うものです。

購入総額がGBP8.6Mって?マジでジーマミーと思いませんか?

果たして、この時期に平気な顔してMansionを購入するなんて、有象無象業者から本当にリスク説明を受けているのかしら?と他人事ながら心配になりますよね。

と思ったら、やっぱりです。Mansionのファクト・シートのデザインが変更になり、例の右肩上がりのグラフは消え、代わりに、太字で下線まで引いたリスクディスクレーマーが登場しました。
その、太字下線部分だけでも引用してみましょう。

* IMPORTANT DISCLAIMER

Investments in property and unregulated collective investment schemes are not risk free. Rental income is not guaranteed, property
prices may fall as well as rise and your attention is drawn to the Risk Warnings and to the fact that valuations will depend on the specificmethodology used as set out in the Scheme Particulars. Illiquidity means you run the risk of not being able to cash in your investment aseasily as with other financial instruments and you may not get back the amount originally invested. Fluctuations in markets and changes inexchange rates between currencies may cause the value of investments in the MSAF and its Feeder Cells to go up or down. Please rememberthat past performance is not an indicator of future performance. 


という具合です。このブログの既投資家にとっては当たり前のことで、読んでも英語の勉強にもなりませんが、これをわざわざこの時期に入れてきたということは、上述のような懸念があるからなのでしょう。

こんな時期、普通Mansionの経営者なら、解約せんでいいですよ、うちは安全ですよ。と宣伝するはずです。もちろん、Mansionの健全性をアピールするニュースレターもでてはいますが、それとは真逆のアピールもしてきていることは重要な意味を持つでしょう。

次のステップとして考えられるのが、投資適合性の厳格化です。特に日本語など言葉の壁がある投資家にたいし、どれだけリスク説明がなされているかファンド会社が直接管理してくる可能性があります。定期預金の代わりだの、安定的な右肩上がりでリスクがないファンド等と吹聴して売り込んでいる業者は代理店契約を剥奪されることもあります。

業者にしてみれば、媒介によってバックマージン取り済の投資契約なんて剥奪されようが何しようがどうでもよいことおですが、ただでさえ、煩雑な書面とのやり取りをさせられるMansionの申込みが、もっと厳しくなったり、移管しなければならなかったりと、結局、損をするのは投資家です。

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