今日の記事はオフショアファンドではなく、海外不動産現物投資です。海外不動産といえば、古くは憧れのハワイ、そのコンドミニアムにはじまり、ロシアマネーでバブル真っ只中、マレーシアのリタイア用レジデンス。そしてユニークなものにはフランスの古城なんてのもあります。これらは特別な情報でもなんでもなく、フィナンシャル・タイムズ誌に毎週広告はでており、誰でも買うことができます。

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海外不動産の紹介ビジネスは現在の日本の法令を読み解いても、私は完全に合法だととの認識です。不動産は金融商品ではないので金商法の対象外ですし、宅建業法なども国内の物件を規制の対象としています。これがランドバンキングあたりやり放題な理由なのでしょう。一方で投資家目線からすると金融商品か不動産かという法律的な線引はあまり関係なく、当たり前のことですが、あくまでもマトモなものか、投資効果があるのか、リスクはどうかということだけが気になります。その目線でこれまでもロンドンの不動産投資用物件の調査なども進めてきました。

それらの記事を見ても結局動けない理由はほぼ一つでしょう。投資するにも値段が高い。それに尽きると思います。不動産命の人なら別ですが、ここの読者の方は個別に良し悪しを見るタイプの投資家で一つのセグメントだけに思い入れが極端に強いわけではないので、1つの単身用アパートに30百万円も集中投資するのははばかれるということなのでしょう。私もそう思います。ましてやポンドで借金してレバレッジをかける手法を使うのなら、自分で調達しなくてもMansion Studeint Accommodation Fundに投資しておけば居住用と学生寮の違いこそすれ、不動産投資としてはほぼ全く同じ経済効果が得られまいます。

では、借入しなくてもよいくらい小さなロットでの不動産ってないのかしら?と辺りを見回してみると、ありましたよ。日本でも、いや、うちから1分のところにも。

それはトランクルームです。住めません(千葉には住んでる人がいるそうです)が、それでも分譲なら立派な不動産(ハコは区分所有権、地べたは250年借地権)です。不動産ですから海外であろうと国内であろうと確定申告には立派に不動産所得として計上できます。

ランカシャーに本社を置く、Store First Limitedは、日本の小刻みになっているトランクルームと異なり、写真の通りのスケールのでかい倉庫です。空港の近くにデカく構えて、管理人が常駐しているだけでなく、梱包屋さん、貸し会議室、食堂なども完備して、貸し倉庫業者がレンタルオフィスも兼営しているというイメージです。



この区画を分譲して、オーナーから一括借り上げします。オーナー側は利回りが安定(サブリースして料金は契約更新時2年毎に見直し)します。ストアファースト側は銀行借入よりも安定して経営資源を直接調達でき、かつ管理費を徴求できます。

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一番小さいので、25平方フィート=2.3平米から買うことができますが、さすがに1つでは投資額も低すぎるでしょう。しかも現地視察することがあっても、自分の区画が畳2条もなければちょっと寂しい気分になるでしょう。さすがに売れ筋は75か100平方フィートだそうです。100平方フィートならキャッシュ・フローのシュミレーションでも年間GBP1,200.の収益が得られますから、ちょうど現地視察の交通費くらいになりますよね。

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物件が要らなくなったら、自分で第三者に売却する、5年経過したものは適正価格でストアファーストに買い取ってもらう、ストアファーストに大口オーナーを紹介してもらい買い取ってもらうなどの出口戦略があります。ただしサブリース契約をする関係上、リース契約期間である2年以内の売却は困難だと考えた方がいいでしょう。

ファインワインを買うか、トランクルームを買うか、悩ましいところです。ワインは管理費が安い反面、その売却価格はもちろん不明。トランクルームは利回りが予定できることと不動産所得として収入の経費が計上できる(であろう)ことがある反面、大きな夢は持てません。

トランクルームを視察したついでに、セラーで自分のワインのケースを見るだけ(決して飲まないしケースも開けない)見てくるとか。

私はオフショア投資でもなんでも投資に臨場感を求めるタイプですし、勉強会のご参加の読者のみなさんも同じだと思います。臨場感を得るというのは、アグレッシブに投資するという意味ではありません。リスクについて徹底的に調査し、理解した上で、自身の取れるリスクを取るということです。リスクを知ろうと研究することで、ファンド・マネジャーや運用会社のやりたい事、つまり職人魂が伝わってきます。魂が伝わってくれば自ずと臨場感がでてくるものです。

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勉強会で使用する貸し会議室代を支払いに行ったら、財布に500円しか現金が入ってませんでした。