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今週末の東京・大阪各勉強会でも題材に取り上げようと考えていますエマージング国、フロンティア国株式ファンド群 FMG Fundsのなかでも一際目を惹き、グッと来きてつい投資してしまうのはイラクファンドでしょう。しかしイラクはその華やかかりし頃、世界第二位だった産油国だったことをよりも、むしろ復興需要にかけることが主目的で、その国の復興にかかせない金融関連株やコンシュマー関連株などを押さえたうえで、資源関連株というよりもインフラ関連株を買い進む戦略です。

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これに対しロシアはすでにフロンティア国ではなく、BRICsとしてエマージング国の先頭集団に立つ体裁の出来上がっている国です。

裏社会やマネロン、政治腐敗と汚職という根本的な問題が解決されることはないでしょう。しかし投資家としての私たちにとって、それは全く関係ないことだと言い切っても問題ありません。ロシアに地縁のない私たちが気にしなければならないは、その国金融マーケットが制度的にもシステム的に安定しているかどうか、そしてFMGにとっては投資対象銘柄が健全な社会の中で育っている上場企業かどうか、ということだけです。

FMGは特にロシアに強いと考えてよいでしょう。何しろ、社長をはじめ、役員のほとんどがスウェーデンかノルウェー出身の北欧の会社です。西側諸国でありながら、ロシア経済とは切っても切れない縁の人達が1995年に作ったFMG初のファンドがロシアファンドだったことは、社史を見なくても容易に想像できます。

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上表のようにロシアファンドはFMGの中でも一際長い、実績を持っています。パフォーマンスは極端で、アジア通貨危機とリーマンショックで大きく下げ、それ以外は全て順調。唯一2011年だけは欧州の混乱を受けてマイナスになっています。ロシアは米ドル社会ですが、経済的にはEUの影響を大きく受けていることがわかります。

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一口に産油国、あるいは資源国といっても投資セクターにこれだけ違いがあると、FMGの意図が見て取りやすいく、投資していてもいなくても良い勉強材料になることがおわかりになるでしょう。
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金融商品の開発担当者には2つのタイプがいます。

1つめは職人気質タイプ。自身の信念に基いて世界のどこかに自分の作品に共感してくれる投資家がいるはずだ。その人が買ってくれればそれでいい。みたいな感じ。ヒルトップファンドなどがこの典型で、ファンドマネージャーやファンド会社のオーナーは絶対的な信念を持って、広く一般に売り込もうとはせず、あくまで共感者と出会うために広告活動を行なっています。ウイントンなども最初はこの手の職人工場だったはずです。ところがその共感者が多すぎてブランド化し、商品だけでなくその名にまで価値が付いてしまい大工場に出世したところはLVMHと似ています。

2つめは販売ありきタイプ。その目的は収益の極大化のためだけであり、常に営業や広報が活動しやすいように商品を合わせて開発していきます。するとグローバルソブリンファンドにブラジル・レアル建てなんていう世にも不思議な商品ができあがったりします。毎月分配型投資信託なんかもその一種でしょう(私なら奇数月分配型を開発するでしょうけど)。

後者の開発したファンドは勉強材料にしても何も得るものはありませんし、投資しても経験値が上がらないので自身の投資リテラシーも上がらず、結局前者のような建付け良いファンドを持っていたとしても職人の意図が掴めずに、表面上の上がった=嬉しい・下がった=騙されたなんていう下世話な世界に沈みます。

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今週は旧正月休みなので、上海に住んでる友人が帰省してきていたりで、正月ムードのない正月イベントを楽しんでます。