生命保険証券投資ライフセトルメント系ファンド(英語ではTraded Life Policy Investments)は、昨年10月に出されたイギリス金融庁の声明文によって大混乱に陥りました。その内容については過去の記事をごらんいただくとして、ライフセトルメント系ファンドの王道EEA Life Settlementにとっても一大事となり、ファンドの解約・新規募集を一時中断していました。

その後、今年1月にむけてのパブリックコメント等を通じで猛抗議もあってか、UK金融庁は一つのガイドラインを出すにとどまり、ライフセトルメント系ファンド自体を否定することは避ける結果となったのです。Finalised guidanceと明記されていますからこれで一応の決着をみたわけです。
そのUK金融庁のファイナルガイドラインは以下のとおりです。
これによって、ライフセトルメント系ファンドのリスクが明確に整理されることになったのです。もっともEEAにしてもAssuredにしてみても、普段から行なっている当たり前のリスク説明文であり、今更そんなこと言われても、というような内容でした。とすればやるべきことは一つ。取引の再開です。だた、一旦、止めてしまったものを再稼働されるには時間がかかります。USD以外のクラスは為替ヘッジを外していますから、もうこれは戻すことはできません。目論見書上の取引方針が変わってしまっていますので、それらの適正化等を完了させるにはやはり数ヶ月はかかるでしょう。この時間的なスパンは金融商品開発の経験があれば、容易に想像がつきます。

さて、今回のファイナルガイドラインの中で最も注目すべきセンテンスは以下でしょう。
まずアドバイザーに対しては
Where advisers do not understand products, they should not recommend them: we have seen numerous cases of advisers recommending TLPIs without properly understanding how these products work and what risks are involved. Advisers should also be aware of the underlying assets within the investments they recommend: including TLPIs as a significant component within another investment means, in the FSA’s view, that investment is unsuitable for the vast majority of retail customers.

また業者に対しては
We have a comprehensive regulatory regime in place to deal with these issues and we will continue to supervise and enforce firms’ compliance with our standards. In view of the evidence of significant problems in this market, we will consider whether there is a need to put in place further requirements on firms in this area in line with our consumer protection objective.

としています。
要約すると、「投資家どころか自身が商品の仕組みも中身もリスクもわからん、アホなアドバイザーに限って、この手のファンドを売りまくっとる現状はけしからん。そんな連中の息の根とめるために、わざわざお上がこうやって一般投資家に対し直接注意喚起しとるんや。それから棚卸しもちゃんとしてないような粉飾まがいの業者にはどんどん名指しで行政処分かけていくから覚悟しとけよ。但しうちらの守るべきはイギリス国民だけやから、他の国の人はしりまへん。自分の身は自分で守ってね。」となります。なお、最後の一文は私がつけたオマケです。
つまりこのファイナルガイドラインは、ろくでもないアドバイザー、ファンド会社に対する最後通告なのです。

オフショア投資ブログのランキング。面白いのでぜひクリックしてみてください。 。ブログ記事に関する詳細な質問、アドバイザーチェンジの方法、ファンドリストについてはメールで。

今日の勉強会は、サミットみたいでしたね。金沢、高山、名古屋、桑名、大垣、彦根、大阪、神戸、岡山となんで京都でやったんやろというぐらい様々遠方からお越しいただきありがとうございました。。