http://harthill.biz/press/wp-content/uploads/2011/08/quadris_logo.pngQuadris Environmental Forestry Fund PCC PLCHarthill Ltdが経営主体となって、ブラジルのFloresteca SAというチーク材専門の私営林業に投資するファンドです。
これまで、いや今も森林ファンドに対しては少し偏見で見ています。ファンド化する対象でもっとも重要なもの、それは時価評価です。投資対象の時価評価の大切さはライフセトルメント系ファンドの記事を通じて、お伝えしてきたとおりです。ただ、ライフセトルメント系の場合は、やってますといいながら粉飾されたらおしまいですが、森林系は最初からわからんものなので、そこにリスクがないかのような言い回しは通用しません。森林ファンドは何かわからないリスクがある。みんなが最初から眉唾もので見ますから、投資家は知っててやるというだけマシでしょう。
このファンドはブラジルの業者1社に絞って、そこと一蓮托生で運営をしています。実質同一体として最終的にはFloresteca SAに対して融資するつもりで、投資するということになります。その分、得体の知れなさは解消されます。どこの森に投資しているのかわからないわけではないからです。
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ではこの業者、なぜわざわざファンド化して運転資金を集めるのでしょうか?これは本人らから聞いたわけではありませんが、ブラジルの場合、ブラジルなりの事情があります。まずブラジルレアル建てでブラジル銀行から融資を受ければ20%近い金利がかかること、しかし金利水準の低いUSDなどの外貨建てで調達するにはカントリーリスクが低すぎて、この会社の財務内容事業内容以前の問題で資金調達することができないのです。カントリーリスクとは、つまりブラジルというだけで門前払いされるということ。これはブラジルのトップバンク、Banco de Brazil の格付けですらBBBでありマーケットからの資金調達がなかなか有利に進まないことから容易に想像できます。

そこで、イギリス (ファンドはIsle of Man籍)に出向いて、資金調達を個人から行えるようにファンド化しているというわけです(想像ですが自信あります)。しかも売り先も全量輸出でしょうから、外貨で調達して外貨で販売すれば、自国通貨との為替リスクも軽減できます。

ファンドのパフォーマンスは年率換算10%程度のようですが、その背景を勘案すればそれも当然といえるでしょう。リスクなりのリターンということになります。
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ただ、2003年9月に運用をスタートし、預かり資産もGBP114Mと実績は積み上がってきていますから、怪しげな森林ファンドのなかにおいては最も投資対象に近いファンドではないかと考えています。とはいえ、まだまだこの手のものは諸手を挙げてとはいきません、本当の対象となるかどうかこれからも調査続行します。
Youtubeに現地の様子がアップされていますので、参考になるでしょう。



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昨日の記事でMansionのパフォーマンスが見えないという現象が起っていました。すみません。直してみました。