スイスのプライベートバンクSYZ&COグループである3A Asia (Cayman) Limitedが運用している3A Commodity Fund (USD)ですが、11月もパフォーマンスはマイナスとなり、これで7ヶ月連続のネガティブパフォーマンスとなりました。そもそもこのファンドの良さは、運用会社の筋が良いこともさることながら、サブプライムローン問題や、世界的な金融危機であるリーマン・ショックでもマイナスにならず、順調に伸ばしてきたところだったと思います。それがよりによってギリシャ危機というローカルな程度の問題に捉まってしまうとは、正直期待はずれであったことは否めません。
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ただ、確かにリーマン・ショックの時は、コモディティに混乱がなかったといえばそうかもしれません。というものリーマン・ショックでは実需も投機も全員が死んだのですから。そう私もリストラで確かに銀行員としては死にました。しかし2010年の方が、リーマン・ショックの時とは異なり、薄いマーケットの中で生き残っている投機筋によって過剰な売買がありましたので、トラディショナルなファンド・オブ・ファンズは、この流れに翻弄されたと言っても間違いにはなりません。復活を試みながら未だに再起動できないでいるダイトンもその「被害者」の一つです。
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私はあらゆる規制は一義的に悪だとの立場をとりつつも、投機の力だけでマーケットを動かせてしまうのであれば、そこに何らかの規制が必要になると考えます。詭弁でしょうけど、これを必要悪とでも言うのだと思います。例えば、本来投機筋がいくら頑張っても実需の力にはかなわないくらいサイズの大きい、例えば、1日に4兆円以上の資金が動くドル円相場にはなんの規制も必要ないと思います。しかし、出来高の少ない店頭株等は値幅規制や大口保有報告制度等の規制がなかれば、実需が損失を被るだけでなく、その会社、ついには健全な経済発展を阻害します。
健全な経済発展を阻害してまで自由化を維持するのであれば、それこそ本末転倒というものでしょう。
経済の復活によって実需の復活し、長期投資の資金がマーケットに戻ってくれば、このファンドも以前のような活気を取り戻すはずです。筋の良いファンドは、健全なマーケットで機能するようにプログラムされているわけですから。