昨日はじめて、ダイトンファンドを記事にしました。他のファンドでもそうですが、そのファンドの記事を執筆するにあたっては、ダイトンならダイトンのreport類は全て目を通して読み込んでおり、わからないところは直接メールか電話で質問しています。ですから、ここで紹介するファンドは全てメールや電話で連絡がつくものばかりです。全貌がわからないままの記事はその旨注意書きしてあります。
とはいえ、さすがに目論見書の一字一句、決算書の勘定明細に到るまで、全部は読んではおりませんのでご了承ください。

昨日のダイトンの2010年reportを読んでいて関心させられたというか、初心忘れるべからずという内容がありました。
FX、つまり通貨戦略に関することですが、簡単に言うと、「資源国通貨だからといって、コモディティ価格に連動するというのは早計だ」というものです。それだけ聞くと釈迦に説法よという読者の方も多いことと思います。当然すぎて誰も今更語らないからです。しかしFXの場合、短期長期の材料が入り交じり、時にはファンダメンタルズとは全く関係ない投機的な取引が勝る場面も多くあります。
そんな時、自身のポジションを正当化するために、つい、鉄や銅が上がればオーストラリアドル買いだと連想を妄想にかえてしまうのです。

もちろん資源国通貨が資源価格に左右されないわけはありません。原油価格が上昇すれば、確かにノルウェークローネは上昇するのです。
つまり、原油高期待=ノルウェークローネ買いという発想だけでは早計で、本質的にはノルウェーがもっとも影響を受ける経済圏すなわちユーロ圏のファンダメンタルズが好調ではじめて、ノルウェーは底堅く推移するという論法になるのです。

日本人から見たら、①ユーロへの景気回復期待にプラス②原油高を期待してはじめてノルウェークローネが買えるというわけです。①②両方が揃わないと日本円からノルウェークローネは買えないということです。

ここでオーストラリアドル対日本円、カナダドル対日本円のチャートを見てみましょう。
どちらもリーマンショック以降のチャートです。

オーストラリアドル対日本円(AUDJPY)
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カナダドル対日本円(CADJPY)
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比較するとオーストラリアに比べて、若干カナダが弱腰なイメージです。
資源国通貨の両雄とも言える2通貨でどうしてこの差がでるのでしょうか?
それは、不景気で低金利のアメリカに引き摺られているというのが最も簡単な答えになるでしょう。

とすると日本円からみるとちょっと高いなと思える、オーストラリアドルの為替レートもそれなりの理由があれば、むしろまだバリューがあるかもしれない、ということになりますね。

次回は資源国通貨でも高い方、先ずはオーストラリアドルの分析をしてみたいと思います。